デジタル通貨CBDCとは何か?メリットデメリットから通貨の未来までわかりやすく解説
デジタル通貨 CBDC とは何かをわかりやすく解説します。ということで今回の動画を始めさせていただきます。デジタル通貨と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。 Suica や PASMO などの電子マネーやPayPayや Edy といったキャッシュレス決済でしょうかもしくはビットコインなど仮想通貨を想像する方も多いのではないでしょうか。今回の動画では既存のデジタル通貨から CBDC と呼ばれる中央銀行が発行するデジタル通貨まで僕たちが日々接するお金の世界で今何が起こっているのかを順序立ててわかりやすく解説していきます。
このお金の変化について行けなくなるとこれからの時代を生き抜いていくことは困難になるといっても過言ではないほど重要な情報です。このチャンネルではそういった最新世界情勢や大人の教養などの情報をまとめてわかりやすく発信しておりますのでもし少しでも必要な情報ななんじゃないかなと感じていただければどこのチャンネルかわからなくなってしまう前にぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。
それではデジタル通貨とは何か。さっそくやって行きましょう。
デジタル通貨とは何か
厳密な定義があるわけではありませんがデジタル変換された通貨としての価値があるものです。つまり紙幣や硬貨などといった現物ではない通貨はすべてデジタル通貨ということになります。ですので Suica や PASMO に入っているお金もPayPayやEdy などスマホに入っているお金もデジタル通貨ですしビットコインなどの仮想通貨も支払いができる店舗がありますから仮想通貨もデジタル通貨ということになります。
なぜデジタル通貨を作るのか
なぜデジタル通貨を作るのかといえば一番の理由はその利便性です。ここ数年で現金を持ち歩かなくてもレジでスマホをさっとかざすだけでお買い物ができるようになりましたよね。このキャッシュレス決済がデジタル通貨をかなり身近なものにしたと言えるでしょう。僕自身も最近の買い物はほぼすべてキャッシュレス決済なので逆に現金しか使えませんと言われるとちょっとイラっとしてしまうほどキャッシュレス決済に馴染んでいます。
キャッシュレスサービスを提供する側のメリット
一方でキャッシュレスサービスを提供している側にも大きなメリットがあります。日本でも数えきれないほどのキャッシュレスサービスが乱立しているわけですがこれはお金の動きが把握できるからこれほどキャッシュレスサービスが乱立しているのです。サービスを使ってもらうことでこの人はどういうものにどれくらいのお金を使うのかこの人は誰にいつお金を送金したのかといったお金のデータを収集することができるようになります。
このデータがあれば例えば毎週外食している人に対してはお勧めのレストランを紹介したりよくゴルフに行っている人に対してはお勧めのゴルフコースや最新アイテムを紹介したりできます。まったく興味のない人に対してわざわざお金をかけてアプローチするよりもデータを参考にして商品やサービスを紹介したほうがはるかに効率的なわけです。だからこそ日本の大企業も世界中の大企業もこのお金の動きのデータを把握しようと必死になっているわけです。
フェイスブックの仮想通貨(リブラ)
その中でも世界有数の大企業がこのお金の動きを手に入れようと一足先に動き出しました。それがどこの企業かというとフェイスブックです。 2019 年 6 月にリブラ協会を立ち上げてリブラという名前の新しい仮想通貨を発表しました。そのリブラ協会には VISA MasterCard eBay PayPal といった銀行以外の金融決済界隈の大企業が名を連ねました。世界の人口が約 77 億人という中で Facebook のアクティブユーザーは全世界に 25 億人以上いるとも言われていますからリブラによって世界の 3 分の 1 の人のお金の動きをフェイスブック 1 社が把握できるようになると言っても過言ではないわけです。
また世界には銀行口座を持つことができない人というのが 17 億人以上もいると言われています。これは戸籍がなく身分を証明できないという人たちになるわけですがリブラはそのような銀行口座を持つことができない人たちでも使うことができる通貨というのを目指しています。その上今までは遅くて高額だった国をまたいでのお金のやり取りを今までよりも早くそして安くということを実現しようと考えたわけです。
さらにリブラはステーブルコインという性質を持っています。ステーブルコインというのは価値の安定を重視しているコインのことです。例えば日本でもビットコインなどの仮想通貨でバブルがありました。価格が大きく上昇した後にバブルがはじけ一気に価格が大暴落したことから仮想通貨というとハイリスクというイメージがあるのではないでしょうか。だからせっかくその通貨を持っていたとしても今日はステーキが買える価値があるけど明日はもやしを買うのが精一杯。
そんなことになってしまう通貨だと不安で長い期間は保有しておけないですよね。そこでリブラは仮想通貨の持つ利便性を保ちつつも既存の通貨であるドルや円、ユーロなどを為替で調整することでリブラ自体の価値は安定させ続けますよというところまで対策した仮想通貨なのです。ビットコインは利便性が注目され盛り上がったけれども価値の増減が激しすぎて通貨とはなりきれませんでした。
ただ通貨としては使えないけど資産としてはカウントできるよねということになり仮想通貨から暗号資産という名前に変更となったわけですがリブラはその価値の増減という欠点すらも克服する新しい通貨として発表されたのでした。手数料も安いし世界中で使える銀行口座がなくても使える上にいつでもドルとか円に交換もできる。そうなったらみんなからリブラを使い始めそうじゃないでしょうか。
だからこそ Facebook もリブラ協会を立ち上げてリブラという通貨を発表したわけですからね。
Facebookの仮想通貨が潰された理由
しかしこのリブラは実現が難しくなってきてしまいました。それには 3 つの理由があると言われています。
① 1つ目はマネーロンダリングのリスクです。銀行口座がなくても使える上に仮想通貨通貨の持つ匿名性によってリブラを利用した資金が犯罪などにも使われてしまう可能性があると指摘されています。
② 2つ目はフェイスブックの個人情報管理のリスクです。過去には億単位という個人情報が流出した事件もありました。名前や電話番号などのデータが 2 週間もオンライン上で公開されたままだったこともあります。これに対しては 5000 億円以上の制裁金を科される事件ともなりましたが実はこのような数千万人規模での情報漏えい事故というのは過去に何度も起きているのです。
この情報管理のリスクについても強く指摘されています。
③ そして三つ目が利権争いです。このリブラの構想は既存の金融業界からものすごく強い反発を受けることになります。欧州中央銀行を中心に各国の政府や中央銀行など財務関係者が一斉にリブラの批判を始めました。その影響もあって Visa MasterCard などリブラ協会に属していた大企業も協会からは脱退することになってしまいました。
既存の金融業界が反対した理由は一体何なのでしょうか。それは特権である金融政策ができなくなってしまうというところにあります。中央銀行が通貨を管理しているからこそ金利の上げ下げやお金の量を調整するといった金融政策ができるわけです。この金融政策ができるからこそ経済や世の中を動かすことができてそれが権力となるわけですがもしもリブラが全世界に普及していた場合にはフェイスブックがそのすべての権限を持つことになるので既存の金融業界はそれを恐れたというわけです。
通貨を支配することは世界を支配すること
言い換えれば通貨を支配することは世界を支配することだともいえます。このような背景があるからこそ各国の中央銀行が動き出しました。中央銀行が独自のデジタル通貨の発行を検討し始めたのです。それが CBDC(Central Bank Digital Currency)と呼ばれるものです。中でも世界に先駆けて研究が進んでいるのが中国です。デジタル人民元を早々に発表し中国は世界で初めてデジタル通貨を発行する中央銀行になるだろうと発言しています。
世界競争
一部の報道によれば 2022 年の冬季北京オリンピックまでに海上で実用できるような環境を整える予定だとされています。つまり今から 2 年後にはデジタル人民元がほぼ完成している可能性が高いということになります。中国の紙幣は偽造問題などが多くてもともと通貨としての信用がないことから中国国内ではすでに通貨のデジタル化はかなり進んでいます。
支払のほぼすべてがキャッシュレスとなっていてマーケットで野菜を買うときや屋台で焼きそばを買う時なんかでも QR コードでの支払いが基本となっているほどです。だから通貨をデジタル化する基盤はかなり整っているといえるでしょう。ただしそのような中でもキャッシュレス化に対応できていない人も一定数存在しています。 IT 化に対応できていない高齢者や山奥に住む人たちなどです。
国としては基軸通貨の現金が使えないという状況は通貨の信用をさらに揺るがすことになる大問題ですから中国国内では銀行券などの現金を受け入れるようにしなさいと改めて通達を出してお店側があわてて現金用のレジを新設することになるというちょっと不思議な逆転現象すらも起きています。また中国は発展途上国であるアフリカやアジア諸国に多額の支援を行っていますからその地域でもデジタル人民元を流通させる土台は整っているといえます。
特に発展途上国では銀行口座を持っていない人が多いのでその人たちにとってデジタル人民元で決済ができるようになるのはありがたいということになるわけです。中国はすでに電波のないところでも決済ができるシステムを開発していると報道されていますからとにかく研究開発のスピードも実証実験のスピードも世界トップクラスという状況になっています。先ほどもお伝えしましたが通貨を支配することは世界を支配することとも言えますから。
だからこそこの中国の動きを見て他の中央銀行も急ピッチで動き出しています。そんな中でも実はスウェーデンは中国と並ぶほど早くからデジタル通貨の研究に取り組んでいます。すでにデジタル通貨であるクローナの実証実験をしているとのことです。なんでスウェーデンの取り組みがそんなに速いのでしょうか。それは広大な土地に対して低密度人口という特徴があり大きい都市が離れて存在していることにあります。
離れているところに移動するときにわざわざ現金を持ち運ぶよりもキャッシュレスでの決済のほうが圧倒的に便利です。またそれを後押しするようにスウェーデン国内の主要銀行が共同で swish というキャッシュレスサービスを提供していてそれもすでに国民の大半が使用しています。これらのことからスウェーデンも中国と同じようにすでに現金よりもキャッシュレス決済が当たり前に使われているからこそデジタル通貨へのハードルがとても低いとされています。
このスウェーデンが世界に先駆けてデジタル通貨の運用を開始する可能性もあります。次に国際金融センターとしての地位を確立しているイギリスについても見ていきましょう。イギリスにとって金融業というのは実は基幹産業です。アメリカニューヨークのように巨大な実体経済を抱えているわけではないからこそ投資家や企業に対してロンドンの金融都市としての魅力をアピールしていく必要があるという状況です。
EU からブレグジットしたことからもその必要性はさらに高まっているといえます。なおイングランド銀行は今の国際通貨体制に疑問を投げかけています。それは中国やインドが台頭してきたことで世界の GDP のうちアメリカのシェアは 25 パーセント程度に縮まったのにもかかわらず米ドルの世界通貨シェアは 4 割以上もあるということから米国経済の地位が相対的に低下しているのにドルは国際通貨として圧倒的な地位を維持したままなのはどうなんだと訴えているわけです。
だからこそイギリスも世界に遅れないようにとデジタル通貨の発行を検討中だということもこの 7 月になり発表しています。ヨーロッパの動きをもう少し見ていきましょう。 ECB 欧州中央銀行は実はデジタル通貨に対してはわりと慎重姿勢です。それは中国やスウェーデンなどと違いヨーロッパ圏内では今もユーロ自体が多く使われているからです。だからこそユーロ圏にある膨大な数の支払いや決済を確実にそれも安全に行うシステムの構築ができるのかといった技術的なハードルや運用面でのコストなどを考えるとあえて今急いでデジタル通貨に参入しなくてもいいんじゃないかなと考えているわけです。
その上そういったシステムの IT 化を中央銀行自体が主体となって進めてしまうと企業の FinTech など IT 化のイノベーションを阻害してしまうのではないかなとも考えています。
日本におけるCBDC
そして日本です。日本の中央銀行日銀ももともとは ECB と同様にどちらかというと慎重姿勢でした。しかし デジタル人民元やリブラの動きがかなり急ピッチで進んでいることもあり検討が進められるようになってきました。
日銀と ECB の共同でプロジェクトステラという民間金融機関同士の決済でブロックチェーンの技術を使ったデジタル通貨の可能性を検証するというプロジェクトを行っていたりその他にも日銀欧州中央銀行イングランド銀行のほかにスイス国民銀行スウェーデンの中央銀行であるリクスバンク、カナダ銀行を含む6つの中央銀行と国際決済銀行 DIS との共同でデジタル通貨の研究グループを設立したりもしています。
中央銀行を取りまとめる国際決済銀行もここに関わってきていることからこれから事態は大きく進展していくと思われます。事実日銀はここ数ヶ月でかなり慌ただしく動いている様子が見て取れます。この 7 月に入ってから日銀はデジタル通貨の実証実験を行うことを発表したほかに決済システムのデジタル化や CBDC を推進するというデジタル通貨グループという名前の組織を新設したことも発表しています。
それに合わせて政府も経済の基本戦略を発表する骨太の方針においては原案になかったデジタル通貨への言及を急遽盛り込んできたりとデジタル通貨についての議論は急激に進んでいるまさに真っ最中ということになりましたワイドショーでは連日コロナの特集ですがこういった世界的な動きがあることも留意すべきだと思います。最後にCBDCのメリットデメリットと今論点になっていることをお伝えします。
CBDCのメリット
メリットとしては次のようなことが挙げられます。印刷や偽造防止など通貨そのものにかかわるコストや労力の削減ができるようになるお金の履歴がデータで管理しやすくなる。これはつまり税金の徴収がしやすくなるということでもあります。民間の電子マネーとは違い日本中どこでも使える。また銀行口座を持っていなくても決済サービスが受けられるということになります。
CBDCのデメリット
その一方でデメリットもあります。管理や決済するシステムの初期費用はどうするのかという問題や安全に運用できるのかエラーが出たらどうなるのかハッキングのリスクもあるんじゃないのかといった問題や法律や業界ルールの整備特に日銀が金融業まで介入することになる可能性もありここはかなり議論が必要となりそうです。そのほかに議論がなされているポイントとしてはユニバーサルアクセスの考え方です。
これは誰でもどこでも使えるようになるのかという部分です。スマホが多く普及しているとはいえ子どもや高齢者などそれを使いこなせていない層もいるわけですから。例えばスマホじゃなくて誰でも使えるような端末を一から作る必要もあるんじゃないのかという問題や通信や電源が途絶えた環境でも使うことができるのかという問題が議論になっています。
その他にも中央銀行がどこまで関与するべきかという議論もあります。個人が中央銀行に口座を開設して個人の決済まで中央銀行がシステムの管理をするのかという部分です。そうなると今まで銀行がやっていた業務の一部は消失するわけですから銀行はただ金融業だけをやることになるのかという議論にもなっていくわけです。そしてデジタル通貨になるんだったらそれこそ世界統一デジタル通貨を作ったらどうだというまさにお金の概念の根幹を覆すような話も議論されているということですからこれは本当に目が離せない状況だと思います。
ここまでお伝えしてきた内容を考えてみると今のデジタル通貨に対するニュースがいかに重要な情報なのかがお分かりいただけるのではないかなと思います。日本では 2024 年に新紙幣が発行される予定となっていますがそれまでにも大きな動きがいろいろとありそうです。このチャンネルではデジタル通貨の動きについてはこれからもチェックしていきたいと思います。
お金の概念が変わるというまさに歴史的転換点にいることを理解しつつこの重要な情報をぜひ一緒に学んでいきましょう。チャンネル登録とベルマークを押していただければ最新情報が通知されますのでぜひチャンネル登録とベルマークのクリックをよろしくお願いします。また最近はツイッターでも速報性のある内容などもつぶやいているのでぜひそちらもフォローして仲良くしていただけると嬉しいです。
というわけで今回の動画は以上になります。今回も最後までご視聴くださってありがとうございました。今回の動画を少しでもいいなとか役に立ったなとか助かったなみたいなことを思っていただけたらぜひグッドボタンとチャンネル登録よろしくお願いします。またコメントをいただけると動画更新の励みにもなりますのでこちらもぜひよろしくお願いします。今回もご視聴いただきましてありがとうござい。